コーチング
コーチは人々がクリアな人生の道筋を見つけ、歩んでいくための伴走役です。
「コーチング」とはその人のピークパフォーマンスを引き出し、勇気付け、やる気を引き出し、目標達成に向けて自発的な行動を促すコミュニケーションスキル。
人には達成したい思う願望や目標があります。その願望や目標に「自分らしさ」を生かしながら最短距離で到達するための帆走役がコーチです。「人には無限の可能性がある」「個々人が必要とする答えはその個人の内側にある」その内なる答えに気付くようなさまざまな質問をし、サポートをし、その人の重圧や障害を軽減し除去して、目標まで一人で到達できるよう後押しするのがコーチです。さまざまな願望や目標がある分、コーチの種類もさまざまです。
アメリカ社会ではコーチングをつけることは、かのジャック・ウェルチがコーチと二人三脚でGEを超優良企業に導いたことなどでも有名ですが、個人レベルでもジムでパーソナルトレーナーを付けること同様、日常的なことになってきています。日本でも黎明期ながらコーチのニーズが話題になっています(コーチの魅力、コーチされた人の効果、企業におけるコーチング)。
*コーチとカウンセリングの違い
- コーチは、その人の現在から未来の目標への歩みを助けます。
- カウンセリングは、その人の過去における問題を解決します。
コーチはコンサルタント、メンターとも違います。コーチはその人の問題を見通し、その人がどのようにその問題を超えられるかを考え、時には手をとって、時には叱咤激励しながら、その人を高みに上げる協力をします。コーチとコーチされる人は同じ位置に立っていることが条件となりますから、明らかにコーチはその人に答えを提供するための役割ではなく、コーチされる人自身が答えを探せるよう、その人の思考を深めるために質問、言い換え、他の見方の提供などのコーチングスキルを使って答えを引き出す手助けを行います。
*コーチの種類
- ライフコーチ
- パーソナルコーチ
- ヘルスコーチ
- スポーツコーチ
- デートコーチ
- 衝突(意見の違いなどでおこる)回避コーチ
- 変化に対応するためのコーチ
- 文化の違いに対応するためのコーチ
- 子育てのコーチ
- リハビリのコーチ
- キャリアを築き、達成するためのキャリアコーチ
- 自分の目標を見つけるためのゴールセッティングコーチ
- 整理整頓オーガナイジングコーチ

*ビジネスにおいてもコーチはますます利用されてきています
- アントレプレナーコーチ
- リーダーシップコーチ
- チームワークコーチ
- モチベーションコーチ
- セールスコーチなどなど...

*コーチングスキル
- 聞く力
- 直感
- 興味
- アクション
- セルフマネジメント
1. 聞く力
コーチングスキルの最たるものは「聞く力」です。言葉のみならず、その人の言葉のトーン、間合い、逡巡などをとらえ、その人の内面にくすぶる本音を引き出すための質問を考えるスキル。また、聞き方にもレベル1、2、3とあり、レベル3の聞き方が最高です。
2. 直感
その人の言っていることに集中し、言葉以外に流れているものを感じ取るスキル。
3. 興味
話されていることに常に自然な興味を持ち、全体像を理解しようと集中します。
4. アクション
コーチされている人が変化、あるいは目標に近づくために今何をしなければならないかを判断するスキル。その人が有効的にバランスよく前へ進むためのアクションを考えます。
5. セルフマネジメント
コーチの持つセルフマネジメント能力により、そのコーチングセッションが質の高いものになることは言うまでもありません。
*コーチングのベネフィット
コーチの魅力 コーチになるための教育、研修をうけるということは質問力を備え、より集中して聞き、そしてより深い思考を促すコミュニケーションスキルを得るということです。このスキルはいろいろな場面で活躍し、そして潤滑なコミュニケーションを可能にします。
コーチの魅力
コーチになるための教育、研修をうけるということは質問力を備え、より集中して聞き、そしてより深い思考を促すコミュニケーションスキルを得るということです。このスキルはいろいろな場面で活躍し、そして潤滑なコミュニケーションを可能にします。
- 生活に使えるコーチスキル
- 子供との会話
- 友達との会話
- 夫婦間の会話
- 自分との会話、自分への質問
- 他人の成長を促す仕事であり、深い満足が得られる。
- 他の仕事をしながらコーチングをすることが可能。
- キャリア構築が可能。コーチの最高峰といわれるコーポレートコーチ、エグゼクテイブコーチまでキャリアを伸ばすことができる。
- 高給、安定収入が得られる。
コーチされた人の効果
- 自分の思考や意思決定を左右していた価値基準や倫理を理解できるようになる。
- 人生における優先順位がつく。
- これから進むべき道が見えてくる。
- 進むべき道が平坦にみえる。
- 物事を他の局面からも見れるようになる。
- 自分をもっと理解できるようになると同時に、他人も理解できるようになる。
- 何度も同じ間違いを繰り返さない。
- 自分の成長が手にとるように実感される。
- 自信が付く。
- 元気が出る。
- 冷静になる。
- 積極的になる。
- 怒らなくなる。

*企業におけるコーチング
多様で変化の早いこの時代に、大勢の従業員に同じ研修を与えるという伝統的な従業員教育を行うだけでいいのでしょうか。従業員のスキルアップ、部署間のコミュニケーション、セールスチームの成績向上、外国人従業員とのチームワークなど、従来の研修では十分な結果が得られない、というケースが増えています。
そんな中で、現在コーチングといわれる新しい形の研修を導入する企業が増えてきています。
*企業におけるコーチングプログラムの内容
リーダーシップ開発、対人コミュニケーションスキル、モチベーションコーチング、昇格に向けたプロモーションコーチング、特定のスキルをつけるためのコーチング、グループを引っ張る「スーパースター」養成コーチング、管理職のための戦略計画や問題解決のスキル開発コーチングほか、トップパフォーミングチーム形成のためのグループコーチング、チームプレーヤー開発、コーチ養成コーチングなどがあります。
*コーチングの効果
マンチェスター・インク社の発表した調査(2001)によると、エグゼクテイブコーチと言われる管理職用のコーチングを受けたマネジメント、あるいはマネジメント候補者はコーチングによる次のような効果を挙げています。
- 直属の上司との仕事の上での関係向上(71%)
- チームワーク(67%)
- 同僚との仕事の上での関係が向上(63%)
- 仕事に対する満足度(61%)
- 社内での対立の回避、または解決 (52%)
- 会社へのコミットメント (44%)
- 顧客との関係 (37%)
同調査は、コーチを導入した会社が、その後実際に社内で確認した向上点は次のようなものがあるとも述べています。
- 生産性向上(53%)
-
業務の質向上 (48%)
- 組織としての強度(48%)
- カスタマーサービス(39%)
- 顧客からの不満の減少 (34%)
- コーチを受けた管理職の離職率の低下(32%)
- 経費減少(23%)
- 利益率上昇(22%)

*セールスコーチングの効果
- コダック社が1000人の従業員の離職を防ぐためにコーチを雇った結果、10%以上生産性が向上し、また無駄な時間や残業が減った。
- エグゼクテイブコーチを導入したメットライフ社の北東支部はその年の営業成績が60%アップ。
- コーチ導入後、AT&Tの営業成績は前年比16%の売り上げ上昇を記録。
一人一人のスキルや長所に焦点をおいたフレキシブルなコーチング研修により、導入したすべての会社で目に見える効果を発揮したことが証明されています。特にセールスコーチングにおいてはセールスが自信を持ち、挑戦への快感をもって自分から行動し結果を出していくカルチャーが植え付けられた、としています。
*最後に
GoogleのCEOエリック・シュミット、GEのジャック・ウエルチもコーチ経験者
米グーグル社のCEOエリック・シュミット氏が、新しくCEOに任命された人たちへのアドバイスをと聞かれ「コーチを雇うこと!」と言ったのは有名です。「本当に信用できるコーチを得るということは、いつも客観的な見方で助けてくれる人がそばにいるということだ。これは僕にとってすばらしい経験だった。」

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